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総社勝福寺編 / 千利休御誕生500年記念茶会を終えて

直心の交わり ~温かな空気に包まれて~

■開催日 令和4年11月3日(文化の日) 午前10時から正午

■会場 勝福寺

記事 11月18日up

令和4年は茶の湯の世界を確立した茶聖・千利休さま(戦国時代~安土桃山時代1522~91の御誕生500年にあたり、勝福寺におきましては先般11月3日(文化の日)に記念のお茶会を開催いたしました。
ご来寺いただきました約130名の皆さま、そして公務ご多用のなかご来賓賜りました総社市長・片岡聡一さまには誠に有難うございました。
お蔭さまで天候にも恵まれ、晩秋の穏やかな空気のなか、盛大なお茶会になりました。今日はその時の様子をご覧頂こうと思います。
利休さまは大永年(1522)に大阪・境の高名な商家にお生まれになりました。利休さまが16歳頃、父君であられる田中与兵衛の勧めで茶の湯の世界に入門されたことが伝えられています。18歳になると茶の湯の第一人者、武野紹鴎に弟子入りをされ、利休さまの感性の豊かさは群を抜き、年月の経過と共にわび茶を大成させるに至るのです。  
52歳で戦国武将・織田信長の茶頭となった利休さまは、後に豊臣秀吉の茶頭としても活躍されたことも広く周知されるところです。 
ところで利休さまは「直心の交わり」を大切にされ、これは「心と心の通い合い」、つまり「相手の想いや考えを汲む」ことを意味しております。現代社会は人と人との諸関係が希薄になりつつありますが、利休さまは私たちに「今、人として何をしなければならないか」と問いかけられているような気がいたします。

本茶会は、住職の私が未知で経験不足なことから十分な配慮が至らぬ点もあったのですが、ご来寺の皆さまやWEB勝福寺を閲覧の方と共に利休さま御誕生500年をお祝い出来ることは本当に嬉しく思います。
最後に、本茶会の開催にあたりましては、ご協力をいただきました中原三法堂様、パティシエ・シエルブルー様、檀信徒の有志並びに関係各位の皆様には、心より厚く御礼申し上げます。 

                                                            合掌

                                                 勝福寺住職 江原義空


千利休像(絹本京縫)

8寸、丈176

『正木美術館』所蔵(重文・長谷川等伯筆 / 1583)を参考にして謹製

11月29日 『山陽新聞』(倉敷・総社圏版)にて告知いただきました


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抜けるような青空と完成を間近に控えた山門

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受付。この日は、子ども茶道教室のお母さま方にもお手伝いいただき、
とても和やかな雰囲気になりました。

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立派な御祝いが届けられました。感激いたしました。
茶道速水流(花橘会)さま、本当に有難うございました。

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さて、お茶席に着席するまでには、段階的にそのたびに精神の緊張が高まっていくのが良いといいます。このたびは利休さまの「茶の湯」の精神にわずかでもあやかろうと、会場設営を工夫しました。露地(通路)を進み、俗世の塵を払い歩を進めていくと…、観音菩薩像が出迎えてくださり、さぁ、ここから清らかな茶の湯の世界のはじまりです。今回は紅白幕で仕切りを設けて、露地風にしてみました。

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野点傘はお茶会の雰囲気を盛り立ててくれます。

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賑わう会場と、小学生(6年生)によるお点前。
10時の開席で、1時間後には既に100席分のお茶券が完売していたのだとか。

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高校生によるお点前。何ともいえぬ、上品で清らかな空気。

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どの席もたくさんお入りいただいて夢のようでした。

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こちらが今回のお茶会のために、特別にお作りいただいたお茶菓子です。お抹茶に合うお御菓子をとの、高いハードルのリクエストに見事にお応えいただくことができました。濃い生チョコレートに生クリームが添えられ、お客さまからもかなり美味しいと大評判でした。シエルブルーのオーナーさまをはじめ、スタッフの皆さまには本当にお世話になりました。

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臨時の水屋の様子です。時勢柄、陶磁器の茶碗は用いず、使い捨ての紙茶碗を用いました。

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こちらは、うどんの臨時調理コーナーです。檀家の有志方には本当にお世話になりました。勝福寺でうどんのお接待をさせていただくのは初の試みでしたが、皆さん地域の行事で手慣れていらっしゃることもあり、有難かったです。

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うどん大人気。、麺の茹で具合も出しも、好評でした。

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こちらは、檀家の有志さんによるポップコーンのお接待と、苗もののミニ販売コーナーを設けました。そして勝福寺で収穫した無農薬のレモンも販売してみたところ殆ど売れてしまったみたいで驚きました。

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ポップコーンは子どもさんに特に人気だったようです。

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客殿では、絹本京縫の千利休像をはじめ、備前焼の人間国宝・金重陶陽の茶わんと茶杓(焼き物)、林鶴山の喰籠と風炉先屏風、難波仁斎の棗、木村節三の南鐐茶釜を展示させていただきました。

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総社市長・片岡聡一さまとご来寺。

写真撮影のときは、私もマスクを一瞬外すつもりでしたが、市長さんのオーラに恐縮してマスクを付けたままになってしまいました。有難かったです。

以上でお茶会の様子を終わりにさせていただきます。ご覧いただきまして有難うございました。
また、温かい空気に包まれるような行事を計画したいと思います。それでは。