第7回 勝福寺寳燈展を終えて
林鶴山さん 木工芸の至極
勝福寺では、去る平成28年4月23日(土)、第7回目寳燈展を開催しました。今回は木工芸家・林鶴山氏(岡山県重要無形文化財保持者)の作品約50点を展示、ご来山の皆さまに極至の工芸品を観覧頂きました。その時の様子を、ご紹介したいと思います。
寳燈展の開催に際しまして、お手伝いを頂きました約40名の方々には心より厚く御礼申し上げます。そして写真をご提供頂きました皆様、有難うございました。。
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参道入り口
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参道中腹より勝福寺を望む
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境内
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今年も、檀家さんのご婦人に寄花頂きました。大きくて見応えがあります。
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会場(客殿)。
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展示風景
香盆、食籠、文箱、茶道具、南画など、今回はボリュームのある展示にしました。
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こちらは、受賞作品などの秀作を展示しました。木工の数寄者の方々には見応えがあったと思います。
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先ほどの続き。静かに作品と対峙していると、木の心が伝わってまいります。
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会場の一角で煎茶のお接待をさせて頂きました。少し前までは、久代内においてもこのような形式で煎茶を楽しまれる光景がそこここに見受けられましたが、近年は姿を消しつつあります。岡山県は水脈が豊かで、更に上質なことから、お茶の文化は地域に根差してまいりました。この画像は当山の総代さんとご来場のお客様です。
この記事をご覧になられて、煎茶を初めてみたいと思われましたら、勝福寺にメールをください。
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勝福寺ご本尊マスコットキャラクタ
こころからはお茶席を見て参りましょう。このイラストは勝福寺に茶室において、ご本尊さまが脇侍の観音様と勢至様にお茶を点てている場面です。今回は冊子を作成したのですが、このキャラクタ本尊様にお茶席のガイドを担当して頂きました。
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掛物は、怡然有余楽(いぜんよらくあり)、漢詩の一説で林鶴山さんによる揮毫です。この写真はまだ準備段階での撮影のため、正式な飾りは出来ていません。花入は備前の升徳利(江戸末期)、香合は欅拭漆八角鷹峯香合(林鶴山氏)です。風炉先屏風の画も林鶴山氏。水指は備前焼(二代・藤原楽山氏)です。棚は即中斎宗匠御好・扇面棚。
怡然とは「よろこびたのしむさま」という意味ですが、勝福寺ではこの「怡」の心を大切にしております。怡という字は、「偏」がりっしんべん、心が楽しむ意。「旁」の台とは音符の台のことで喜ぶ意。これを広く解釈すれば、楽しみ=喜びとなりますが、音というのは空気の振動。その空間が清らかであれば、心は自然と浄らかになるものです。楽しみは人それぞれですが、心が楽しまなければ、真の喜びではないでしょう。その心はどこにあるのでしょうか?頭でしょうか?胸でしょうか?私は、心というものは身体全体のどこにでも存すると思っています。五感の感度を常日頃からあげておくことが望ましいです。
空間を清らかにするためには、文化に触れる生活を営むことに勝るものはないと、最近分かるようになりました。空間に自然の花を生け、香を焚き、文明の利器ではなく、手作りの道具を飾り、いっぷくの茶を戴いてみて下さい。次第に心眼が開き、物事の真実の価値を見出そうとしている自分の姿に気づいてくると思います。、
難しく考える必要はありません。和室に自然の花を(一輪でも)で生け、香を焚き(アロマ的なものでも良いと思います)、急須で入れたお茶を飲んでみて下さい。これを欧米風に応用すれば、リビングや洋間に花を生け、珈琲や紅茶になるのでしょうか。これはそれぞれのライフスタイルで良いと思います。私は両派ですが、真の意味で心が楽しむのは伝統の和風空間です。
「怡」の心はとても奥が深いのですが、生涯追求していきたいと思っています。
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午前9時半。お茶席が始まる前に、まずご本尊様への供茶の儀を行います。本茶席の、そして寳燈展の大切な儀式です。
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供茶
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お点前をする子供達
午前10時。お茶席開始。勝福寺の子供茶道会では(平成28年4月時点)9名の児童さんが在籍しており、今回は5人の子供達がお点前をさせて頂きました。皆、少し緊張していた様子でしたが、上手に出来ました。
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和装でお見えになられる上品なご婦人、子供達の担任の先生、様々な方々に多数ご来山頂きました。
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将来有望な子供達
大先生と共に記念撮影。寛容なご指導を頂いているからこそ、勝福寺の子供茶道会はここまで発展しています。有難いことです。
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午後から、総社市長の片岡聡一氏にご来山頂きました。市長には寳燈展開催の第1回目より7年連続でご来山の栄を賜っております。有難いです。
お点前は、Gikoohの高校時代からの親友、吉岡僧正です。山口県岩国市からほぼ毎年応援に駆け付けてくれており、有難いです。彼は20年以上のベテランです。
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お客様に御菓子を差し出している場面。
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お客様に見守れながら、お運びをする子供たちの光景は輝いていました。
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玄関付近にて。
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この日は倉敷ケーブルテレビ局による取材がありました。
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将棋に熱中する子供達。
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竹製の花器
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お花は昨年同様、家内の母が生けて下さいました。逆光で若干見づらいのですが、涼しいらしい清楚な感じです。。
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市長さんと記念撮影。お客様のお子さんも交えて。
いかがでしたでしょうか?大体の様子が伝わりましたでしょうか?
次回の寳燈展は備前焼を予定しております。お楽しみに。