第3回 勝福寺寳燈展

いけばなの美

会期 平成24年4月21日(土)


画 林鶴山氏


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第3回目となる勝福寺寳燈展は「いけばなの美」を特集させて頂きました。総社市の公民館やご自宅で講師活動をされている8流派の先生方と、御室流の「瀬戸内の会」、そして檀家さんや義母の12人名様により伝統のいけばなをご出展頂きました。
 
日本には祖先から継承されてきた大切な伝統文化が数々あります。勝福寺では様々な伝統文化の中から「茶・華・香」の世界とそれらに関する周辺のお道具を展示し、文化感の提唱と、現代を生きる私達の美意識が高まることを願っております。
お蔭様で約250名様のご観覧を頂き、予想を上回る盛会となりました。そして、御室流華道総司庁から華務長の川井宏雄先生を講師にお迎えし、いけばなの歴史とその精神の講演を頂きました。

その時の様子をご紹介したいと思います。写真は檀家さんや来山されたお客様から提供されたものです。

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勝福寺本堂

献 花
住職の実兄(安楽院住職)が御室流にて。



境内
 
 

客殿(会場)
 

境内
 

境内

朝、幟を立てました。幟や提灯をみると心が躍るのは
日本人の心でしょうか。


山門。檀家さんが山の自然を生けて下さいました。
見事です。


大玄関(左同)


ご協力頂いた八流派のいけばな
 


ご協力頂いた八流派のいけばな
小原流     桑原専慶流
未生流     専敬流
池坊     専敬流
嵯峨御流     池坊
草月流    小原流
御室流    


当日、いけばな展の開催と共にお茶席があり、まず初めに
ご本尊様にお供えする供茶の儀を行いました。
 
 

供茶の所作
   










ご本尊様へ。
 





熱弁ならぬ熱唱されているのは総社市長の片岡聡一氏。市長は寳燈展の開催以来、
公務多用のなか毎年ご来山頂いております。山寺の小さな催しにまでお心を配って
下さる市長を大変誇りに思っております。
この日は祝辞を頂いたあと、お互いに思いも寄らぬ展開で、ピアノの弾き語りという
サプライズがありました。市長は東日本復興支援チャリティーコンサートにも参加され
るほどの腕前とお聞きしましたが、その情熱に感動しました。
 








会場の休憩処(無料)。毎年、煎茶をお接待させて頂いております。
 









お茶席のお花。傘徳利(備前)にヒトリシズカとアカメガシ。お茶の先生が生けて
下さいました。
 







お茶席。勝福寺は正式なお茶室がないのでお客様には申し訳なく思っております
が、庫裡にある略式なお茶室(竹林の間)で大勢の方々にお抹茶を楽しんで頂き
ました。
 
 




炉の前では、お点前中です。
 




この日用いたお抹茶は柳桜園(京都)の小櫻、お饅頭は小西屋(総社)の春の舞という
ねりきりをお出ししました。
 




1席ごとに、幅広い年代のお客様がお見えになり、特に着物姿のご婦人達がお席に
着座されると、とても気品高い空間と化します。着物も伝統文化の誇りです。
 







少々気分転換の1枚。竹の花器もなかなかの風情でしょう。
 








当日は倉敷ケーブルテレビによる取材もありました。
 





●御室流華道総司庁(京都・仁和寺)
  華務長 川井宏雄先生
  演題 「花の向こうに仏様」

先生にはいけばな諸流派の垣根を超えたお話を頂きました。日本人の花に対する考え方は
大変奥深いものがあると感じました。お正月に飾る門松の二引の根のお話、桜の「さ」は稲の
精霊、「くら」は精霊の座など、桜の語源と稲作との深い関わりなど、祖先が行ってきた祭事の
意味は興味深い内容でした。いずれまたお話する機会がくるでしょう。

現代人の多くは物質文明に翻弄し、精神文化は音を立てて崩れていますが、私は祖先が大切
にしてきた精神を後世に伝えてゆかねばと再認識しました。
 



川井先生は、私が仁和寺内にある密教学院の修行時代に1年間ご教授頂いた恩師でも
あります。話の展開がとても論理的で分かりやすく、しかも的を射ているので食い入るよ
うに聞くお客様が大勢おられたのが印象的でした。

因みに演台は、この日に合わせて倉敷の某家具屋さんがご寄贈下さいました。住職の思
いに共感された社長がデザインされ、材木は日本を象徴する「桜」で制作しようということに
なり、家具に適した山桜を使用しています。川井先生のお話と、演台との雰囲気がとても良
かったです。


次回寳燈展の会期は未定ですが、次回は「香」の世界を取り上げてみようと思っています。