第2回 勝福寺寳燈展を振り返る

2011.5.1up

寶燈展のチラシ(pdf) へのリンク

平成23年4月23日(土)、勝福寺では第2回寶燈展を開催しました。私が茶・花・香の伝統文化と、それに関するお道具類に感興していることから本展を企画、この分野における日本の伝統文化を広く伝えたいと思っております。茶・花・香と一口に言っても奥は深く、それらはの根本は神仏の供養へ結びつくものですから寺の住職がこの分野を得意とすることの意味は深いと思っています。
第1回目の反響が大きかったことから、第2回目も木工芸家・林鶴山さんの観覧会とお茶席を開催しました。今回はその時の様子をご紹介します。
なお、寶燈展のお茶席で皆様から頂戴したお茶券代の全額と、東日本大震災の義援金合計50,145円は、山陽新聞社会事業団を通じて被災地へ送らせて頂きました。僅かながら被災地のお役に立てられればと願っています。

写真提供 倉敷市M氏、総社市H氏

御本様に供茶。
怡然庵の茶室、「竹林の間」にて。

午前9時半過ぎ、総社市長の片岡聡一様が昨春の寶燈展に続いて2度目のご来山。
勝福寺のような山寺にご来臨頂けることは本当に栄誉なことです。

*本義の茶室設計ではないため、畳の敷きようは異なります。
  本展の主会場となる客殿。お床へは総社市長と倉敷市長のお二人様から頂戴した
お祝いのメッセージを展示。
  林鶴山さんと交友のある個人様から拝借した屏風。
山桜の大作は壮観です。
  六曲一双の屏風。竹林に七匹の雀が描かれています。近くで見るととても幻想的
です。
  作品に見入るお客様。
  息をのむような秀作の数々。手前に広げられた画本は、林鶴山さんの南画。
  山桑の飾り棚。大きさは幅37cm、奥行22cm、高さ33cmほど。隣の花は、寶燈展の
前日にご近所さんから沢山の金魚草を頂き、会場が彩り豊かになりました。
  会場の一角に設けられた煎茶のお接待席。今回は勝福寺の総代さんが230名の
方々に煎茶を淹れて下さいました。総代さんは平素から煎茶を飲まれているので、
安心してお任せしました。昔は宝瓶(取っ手のない急須)でお茶を楽しむ人が多く
いましたが、ここ数十年は珍しい光景になりつつあります。
 
煎茶を飲むことは、感性の感化と隣り合わせです。これは、しばらく続けるうちに
段々と分かるものです。是非、宝瓶で煎茶を淹れてみて下さい。
 
  時折、住職自らお接待。
  風炉先屏風とも盛器。
  林鶴山さんは盛器など力強い作品から、棗や茶杓のような繊細な作品まで幅広く
製作されます。
  香盆、菓子器、懐石盆など、今回は幅広い作品を厳選して展示しました。
  こちらは季節の風物詩。
  玄関を飾った生け花。他にも立派なアレンジ花を頂いて飾っていたのですが、
写真はありません。
  会場。
  再び怡然庵の茶室。書は仏銭僧正の「清閑」。

山芍薬 お茶の先生のお一人から頂きました。 

欅拭漆八角香合(林鶴山さん作)
  表千家流によるお点前。 
  お茶席があることにより、本展全体の雰囲気が格調高いものとなり、茶道の文化に
並々ならぬ敬意を感じます。
 
栗製の文机(林鶴山さん作)
 
住職直筆による会期
  決まり事によって配置された茶道具。風炉先屏風の画は林鶴山さん。
扇面棚は今年2月に京都で求めてきました。水指は備前の藤田龍峰さん。
蓋置は萩の坂高麗左衛門さん。
  Gikoohの日替わり法話で何度も登場頂いている高校時代からの友人の吉岡君。
昨年に続き、今年もお手伝い頂きました。彼の茶道歴は10年以上と長く、とても信
頼しています。住職は表千家で彼は裏千家、流派は違えど茶道の世界に精通して
おり、重要な会であればあるほど信頼出来る人物です。
  さざんか。
第2回寶燈展も無事に閉幕しました。午前中は雨模様、午後からは快晴という不安定な天候にも関わらず、多くのご来山を頂き大変に有難く思っています。総社市市長様、林鶴山さんの奥様、ご関係者様、また、寶燈展をお手伝い頂きました表千家流の先生方、勝福寺世話人各位様、皆様に厚く御礼申し上げます。