第11回 勝福寺寳燈展
木工芸の美と上品なうつわ
■開催日 令和6年(2024)4月20日(土)
無事終了
日本の伝統文化(主に工芸品)を今に伝え、後世に繋がる一助になればと平成22年より始めた勝福寺寳燈展は、この度5年ぶり11回目を迎え、お陰さまで約100名のご来寺をいただきました。
今回は木工芸の美と上品なうつわと題し、主に昭和中期から平成期に活躍した林鶴山氏と、昭和初期に活躍した平賀石泉氏の秀でた技巧を紹介し、さらに幕末から明治~大正に食卓を彩った和食器を中心に展示しました。。
林鶴山氏は樹齢400年から500年ほどの欅を題材にした刳り物という技法で菓子器や盛器、お盆など制作を手掛け、優れた作品を多く遺しています。また平画石泉氏は偏刀彫の技法で木竹や錫に蟹や海老、四君子から果物にいたるまで幅広い観点で彫刻し、これまた秀でた作品を多く遺しています。
また、お二人とも余技で掛いた南画は何とも言えぬ風情があり、見る人はきっと魅了されることでしょう。
お二人が遺した作品は実に素晴らしいのですが、時代と共に世間の記憶から薄くなりつつあります。これ以外の分野においても、私はこの超絶とも言える先人たちの技巧を今に伝え、後世に繋ぐべく「勝福寺寳燈展」という企画展を展開しております。
さて、今回はその第11回寳燈展の様子をお伝えできればと思います。(2024.4.26up)
木工芸家(刳り物) / 林鶴山氏 木彫家(偏刀彫) / 平賀石泉氏
※画像は『木の心』(左側)、『木彫師 平賀石泉 黒田嘉一郎著』(右側)より
以下 ( Photo by Kanon& Eさん)
天候を心配していましたが、天候にも恵まれ快晴の朝を迎えました、
写真提供 Eさん)
煎茶のお接待席。この日は、お抹茶のお茶席と、展示会場の方では
Gikoohが煎茶を淹れさせていただきました。お客さまの中には
オーストラリアご出身で、現在はモデルのお仕事をして
いらっしゃる方もおられ、とても楽しいひと時でした。
展示会場
展示会場
今回は有志の方々にでお寿司を作っていただき、販売しました。40パックはすぐに完売。
子ども茶道教室の子ども達。本番前に最後の練習。小中高、更には大学生まで
お辞儀の練習。
レッドカーペットの向こうは異空間のお茶席会場です。
(写真提供 Eさん)
この日は4席設けました。
子ども達もお点前にお運びと、良く頑張りました。
お昼過ぎ、ご多用のなか総社市長・片岡聡一さまご来寺。市長さまは、(Gikoohの記憶が正しければ)11回の寶燈展のうち10回ご来寺賜っており、本当に有難く思っております。公の行事ならばともかく、民の行事にもこうしてお出向きくださる市長さまは、まさに市民の鏡だと常々感謝です。市長さまのインスタグラムでもご紹介いただいているので、是非ご覧ください。
有志の方々によるうどんのお接待
入れ替わり立ち代わりで、約100食分召し上がつていただきました。
茶室に掲げた「石鼎烹茶泉味甘」 / 平賀石泉筆
石の炉で沸かした泉(水)は茶の味が甘くなる、といった意味でしょうか。
午後4時。無事に閉幕しました。ご来寺いただいた皆さまには感謝申し上げます。有難うございました。
次回の寳燈展の内容はまだ未定ですが、「掌の美」と題して思案中です。お楽しみに。