Gikoohの見聞記

勝福寺の「初午祭」(初稲荷)の巻

2022.3.9up


勝福寺では毎年、旧暦2月初めの「午の日」にお稲荷さまを祀る「初午祭」を行っています。令和4年の初午祭は3月6日(日)、旧暦の2月4日でした。
初午祭の起源は、今から遡ること元明天皇の和銅4年(711)2月9日の初午の日、稲荷社の総元祖ともいうべき稲荷大神が京都・伏見の稲荷山三ヶ峰に降臨したことに由来します。この初午の日が稲荷の縁日になったと伝えられています。
お稲荷さまは、五穀をはじめとして、すべての食物を司る農耕神です。お稲荷さまが降臨したこの縁日を「初午祭」と称し、お稲荷さまをお祀りして五穀豊穣をお祈りします。現在では、お稲荷さまは穀物や農業の神さまで、2月に田を耕し畑を作るのに必要な馬を使い始めることから、午(馬)の日に初午祭(稲荷祭)を行うとも言われています。
、今では商売繁盛、学業成就、芸能発達、恋愛成就、家内安全、交通安全等の守護神としても信仰されています。
紀貫之が延喜6年(786)2月の初午に詣でて、「濁のみ我こへなく稲荷山春の霞の立ちかくすらん」と詠じ、また清少納言の枕草子には、山城の稲荷社へ初午詣をしたことの記事が見え、平安時代の頃既に行われていたことが窺えるのです。

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勝福寺のお稲荷さんは寺山の山中にあるので、お檀家でも知らない人も多く、またちょっとした登山をせねばなりません。

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登山口。御社までは120mです。屈伸運動をして、さぁ、参りましょう!

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85段の階段を上がります。

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そして山頂へ。

二礼 二拍手 一礼

小さな御社ですが、山中のこの場所から田畑や民を見守って下さっていることを思うと、有難い気持ちで一杯になります。
近年は、稲作りは手間が大変だから…だとか、儲からないから…だとか、後継者問題で…だとか、様々な都合を言い訳にしての環境破壊が懸念しています。更には、山々も切り崩して土を採り、田地を埋め立てて商業施設や住宅地になる光景も多く見受けられます。しかし、人間の欲望のままに自然環境に挑戦して破壊を続ければ、必ずや天地の報いを受ける結果になることを、私たちは知らねばなりません。

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御社の裏側から。因みに、お稲荷さんいは稲荷寿しを御供えします。お稲荷さんは字の如く、本来は稲と深く関わりのある農耕神です。お稲荷さんにお仕えしているのは狐です。狐の好物は油揚げと言われていますが、それにお米を詰み込みます。これが所謂、稲荷ずしです。

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さぁ、下り坂。この日のGikoohは法事で出掛けていたのですが、子どもさんやそのご父兄など20名近くの方々がお参りして下さったそうです。有難うございました。